AI健康・医薬研究センター長 ごあいさつ
健康・栄養研究及び創薬・疾患研究における人工知能基盤プラットホームの構築・提供
センター長 水口 賢司
AI 健康・医薬研究センター(Artificial Intelligence Center for Health and Biomedical Research; ArCHER)は、医薬基盤・健康・栄養研究所(NIBIOHN)における人工知能(Artificial Intelligence; AI)関連活動の統合化と研究機能の拡充を目的として、2019 年4 月1 日に設立されました。その名前が示す通り、健康・栄養研究から創薬・疾患研究にまたがるAI 基盤プラットフォームの構築は、当法人のみが果たし得る役割だと自負しています。
現在のAI 開発においては、華々しい成果が報告される一方、アルゴリズムそのものは急速にコモディティ化するため、各分野におけるデータの整備が中心課題だと考えられています。実際、健康科学や創薬研究において、コンピュータ解析に適した形のデータの準備が必ずしも容易ではないという問題が、多数存在します。我々は、この分野の専門家として、データの整備と統合を活動の中心の一つに据えています。ここでは、既に公知になっているデータを如何に構造化するかといった技術的な課題に加え、医学データに固有の課題である、データ共有や再利用の困難さを乗り越えるための仕組み作りも、活動の柱に組み入れたいと考えています。また、人材育成も当センターが果たすべき重要な役割です。我々は既に、多様な分野、国籍、バックグラウンド(アカデミア、産業界)を持つメンバーを集めて研究を遂行してきています。この経験を生かして、イノベーションの創出に必須である、異分野融合、マッチングの場を提供したいと考えています。